伏見稲荷神社に氏子がいない?意外な歴史の背景
実は、伏見稲荷大社がある京都市伏見区には、氏子がいないんです。えっ?と思われるかもしれませんが、氏子地域は主に南区と下京区。これには空海(弘法大師)と神様のあるエピソードが深く関係しています。
空海と神の出会い──東寺での再会を約束して
空海が和歌山で修行中、神に出会い「教えを受けたいか」と問われ、「東寺で再びお会いしましょう」と答えます。その後、神の化身が稲と椙(すぎ)を持って東寺に現れたところ、空海は大変喜び、近くの豪商・柴守長者の二階屋で神をもてなしたと伝えられています。
御旅所と氏子地域の誕生
その場が御旅所となり、自然と周辺の南区・下京区が伏見稲荷の氏子地域となったというわけです。ちなみに、伏見稲荷大社のあるあたりは藤森神社の氏子地域。ちょっと意外ですよね。
稲荷祭と御旅所──5基のお神輿が巡行する
毎年春、伏見稲荷大社から5基のお神輿が御旅所まで巡行されます。この行事が「稲荷祭」。江戸時代には葵祭・祇園祭と並ぶ、京都三大祭の一つとされていました。
京都三大祭の変遷
現在の三大祭は「葵祭」「祇園祭」「時代祭」ですが、かつては「稲荷祭」だった時代もありました。それほど、地域に根ざした大きなお祭りだったのです。
2025年の御朱印と祭日程(※以下は参考情報)
- 神幸祭(おいで):神幸祭(おいで)は、毎年4月20日に最も近い日曜日に行われます
- 還幸祭(おかえり):5月3日(祝日)
- 氏子祭:4月下旬(例年は29日)
稲荷祭期間中、御旅所の社務所では期間限定の御朱印がいただけます。2025年も頒布予定とのこと(詳細は現地や公式情報でご確認ください)。
お値段は300円程度、受付時間はおおよそ8:30〜17:30とのことです。
御旅所の風景(写真ギャラリー)
普段の御旅所の様子を写真でご紹介します(2018年撮影):
正面の鳥居です。
ここに5基のお神輿が入ります。
稲荷祭の準備も進んでいるようです。
伏見稲荷御旅所神楽殿です。
社務所です。北側の鳥居を入ったところにあります。期間限定の御朱印は、こちらで授与されていますので、参拝の際はぜひお立ち寄りください。
おわりに──掲示板に心躍らせたあの頃を思い出して
そういえば、小学生のころ、町の掲示板にこの稲荷祭の案内が貼られると、なんだか嬉しくなって、テンションが上がったのを覚えています。
大人になった今でも、あの掲示を見ると「おっ、この季節がまた来たな」と思います。きっと、同じように感じている人は他にもいるんじゃないでしょうか。
この時期、伏見稲荷に参拝される方、少し足を伸ばして御旅所にもぜひ訪れてみてください。神様はこちらにいらっしゃいますから。
御朱印をいただいた時の記録はこちら
実際に御旅所で限定御朱印をいただいた記録を以下の記事で紹介しています。写真付きで現地の雰囲気も感じていただけると思います。
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