2021年、静かな祇園祭を歩いた記録
2021年7月22日──2年連続で山鉾巡行が中止になった夏。
少しずつ人出は戻っていたものの、例年の祇園祭と比べれば、その静けさはやはり印象的でした。
三密を避けて歩いたあの空気感と、どこか緊張感の残る街の雰囲気。
正直、記憶は曖昧ですが、写真を見返すたびに、
自分の中ではやはり忘れられない風景になっていることに気づきます。
大船鉾(おおふねほこ)
南観音山(みなみかんのんやま)
北観音山(きたかんのんやま)
八幡山(はちまんやま)
役行者山(えんのぎょうじゃやま)
鯉山(こいやま)
祇園会山鉾分布図
人通りの少なかった通り
記憶はあいまいでも、写真は残ってた
こうして写真を並べてみると、やはり2021年の祇園祭は特別だったように思います。
巡行こそ中止となり、すべての山鉾が建てられたわけではありませんが、
一部の山や鉾が静かに立ち並ぶ姿には、技術を絶やさぬよう継承しようとする人々の意志を感じました。
祇園祭の起源は、平安時代に疫病や災いを鎮めるために行われた御霊会(ごりょうえ)にさかのぼります。
千年以上続いてきたこの祭礼が、再び疫病によって制限されるとは──
歴史の不思議な巡り合わせ、あるいは時代の大きな流れを感じずにはいられませんでした。
この記録は、自分自身のためのアーカイブとして──
あの年の静けさと、山鉾が放っていた凛とした佇まいを、また思い出したときにふと振り返れるように。
そして、2025年の今年は、久しぶりに祇園祭の熱気と賑わいを、肌で感じてみようかと思っています。
今年の鉾建ても、あと少しではじまります。
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